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なぜ声楽的に大きな声は出せるのに、ベルティング出来ないのか?

こんにちは!VT Artist Development桜田ヒロキです!

今日は声楽的な出し方ですごく大きな声は出せるのに、
なぜかベルティング(地声的に強い声)が出来ないの?

と悩む、特に女性に多い悩みにお答えしようと思います。

声楽的な発声はフォルマント同調と呼ばれる技術を使っている

小久保よしあき先生が女性のソプラノ的発声について
素晴らしいブログを書いてくれています。

歌声フォルマントと別のボリュームの出し方!?”フォルマント同調”

フォルマント同調とは・・・

裏声的な声で、
声量を作る技術

と考えればわかりやすいでしょう。
(ちょっと乱暴な書き方ですが・・・。)

裏声的な出し方は倍音をあまり含まない声なので、
基音(=音程)そのものがある程度エネルギーを
発信出来る音域でないといけません。

小久保先生は「ほとんどA4 (440Hz)以上」と言っています。

ではベルティングとフォルマント同調の要素を整理してみましょう。

ベルティングの要素

・地声的な発声(倍音を豊富に含む)
・地声的に聞こえる音域(A4~F5くらい)
・母音は口を大きく開くタイプ(「あ」「え」等)
・ビブラートはあまり使わない(筋肉を緩めさせないため)
・主なエネルギーの作り方は第2倍音の強調+うたごえフォルマント
・音量が大きい

フォルマント同調

・裏声的な発声(倍音はあまりふくまない)
・裏声が出せる音域(最低でもA4。場合によってはD6も)
・母音は円唇母音(「う」「お」等)
・ビブラートをよく使う(筋肉を緩めるため)
・主なエネルギーの作り方は基音(第1倍音のみ)
・音量が大きい

このように整理してみると、

「出し方の本質」がかなり異なっている事がわかると思います。

共通項は

「音量が大きい」だけですね。

ここで声楽家(ソプラノ)が悩む壁

ただし、困った事に声楽的な訓練をしてきたソプラノは、

「音量を出す方法 = フォルマント同調」を使う。

このように声が理解してしまっているのです。

A4(一般的にブリッジと言われるエリア。)よりも高く強い音を出そうとすると
自動的にフォルマント同調を使った出し方に切り替えてしまうのです。

そうすると声帯で充分に倍音を作る事なく、
裏声的な大きな声に”切り替わって”しまうのです。

結果的に、A4以上の音は裏声。

それ以下は地声。

と言う、いわゆるひっくり返り状態になってしまいます。

音量めっちゃ出るのに!です!

解決方法は?

我らVTチームのハリウッド式ボイストレーニング法の出番です。(笑)

大きな声を出すとフォルマント同調を使った出し方に変わってしまうので、
まずは小さな声で、地声状態を作れるようにしましょう。

A4以上の音域で
「どうやったら小さな声で地声的に聴かせられるだろう?」
と言うのを研究〜練習してみましょう。

母音は高い倍音を多く含ませやすい

「あ」「え」「あとえの中間母音」

を使ってみると良いでしょう。

高い倍音を維持し続ける事が出来れば、
まずはステージ1はクリアです!

それから徐々に地声感を残しつつ
音量を上げる練習をして行ければ良いわけです。

一言に「大きな声を出す」と言っても、
その人の癖や過去のボイストレーニングによってその方法は異なるので、
よ〜〜く注意しながら練習していきましょうね!

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解説しているインストラクター

桜田ヒロキ
桜田ヒロキ
セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター

アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。

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