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【ミックスボイスって何?その2】筋肉のパワーバランスを見てみよう!

こんにちは!VT Artist Development桜田ヒロキです!

さて、前回の【ミックスボイスって何?第1話】シリーズでは、それぞれの筋肉の役割を説明しました。

前回のおさらい

甲状披裂筋(TA)が音色輪状甲状筋(CT)が音程を司っている事を理解しましたね?

結局の所、「高音をある程度力強く出す」と言う事を最も簡単に最もベーシックなレベルで考えると、この2つの筋肉を上手に使えるようになれば良いと言う事がわかります。
しかし、これは正に言うが易しであり、実際にコントロールするとなるととても難しいわけです。

なぜなら、この図を見てわかるように、それぞれの筋肉の力の向かう方向は真逆だからです。

発声におけるTAとCTのパワーバランスを図で見てみよう!

では最も発声がうまくいったパターンを見てみましょう!

まずは低音部の発声ですので、輪状甲状筋(CT)はあまり働かせる必要がありません。
ただし、それに対して甲状披裂筋(TA)は十分に働かないと声帯はたるんでしまいます。
従って低音部では甲状披裂筋(TA)優勢の発声になるわけです。

スクリーンショット 2015-10-02 22.27.52

ちなみに甲状披裂筋(TA)が強く働いている時ほど僕たちは地声的に感じます

スクリーンショット 2015-10-02 22.28.01

そして中音部に入ると、輪状甲状筋(CT)を使いさらに声帯を引っ張るわけです。

この時、甲状披裂筋(TA)は輪状甲状筋(CT)を邪魔しないレベルまで落とす必要があるわけです。
そう。この時、甲状披裂筋(TA)は緩めすぎも力の入れすぎも禁物です。
だから難しいのです!
スクリーンショット 2015-10-02 22.28.11

これが出来るとバランスの良い発声が出来るわけですね!
大体、この図で書いている中音域は男性で、E4-G4女性でA4-C5程度と考えてくれれば良いと思います。

スクリーンショット 2015-10-02 22.28.23

そしてさらに高音部になると甲状披裂筋(TA)は輪状甲状筋(CT)のパワーバランスは真逆になる事がわかります。

※ちなみにこの図は筋肉間のパワーバランスを見やすくするためのイメージ図ですの、特に科学的根拠のある数字ではありません。
イメージとして捕らえてくださいね!

スクリーンショット 2015-10-02 22.28.32

ここまで高くなると甲状披裂筋(TA)は輪状甲状筋(CT)のパワーバランスは完全に反転しているのがわかります。

甲状披裂筋(TA)が強く働いている時ほど僕たちは地声的に感じると言う事を覚えていますか?

この音域まで達するとある人は「地声で歌っています!」と言うし、ある人は「いや!裏声です!」と言う事もあります。
しかしながら、ここでわかって頂きたいのは、甲状披裂筋(TA)は輪状甲状筋(CT)のバランスをスムーズに移行させるコントロール能力を身につければ地声、裏声と言う言葉がいかに不毛な事であるかと言う事です。

僕たちが音域拡大を目指すのに当たって乗り越えなくてはいけないのは「裏声と地声は別物である」と言う間違った認識なのです。

結局のところミックスボイスとは?

結局のところ「ミックスボイスと言うものは、甲状披裂筋(TA)は輪状甲状筋(CT)のパワーバランスをスムーズに移行させるコントロール能力そのものを指す。」と考えれば最もシンプルなものになるかもしれませんね。

※詳しくはこちらの動画でも解説しています!

甲状披裂筋(TA)と輪状甲状筋(CT)を別々に考える

しかしながら、甲状披裂筋(TA)が音色、輪状甲状筋(CT)が音程を司っている事をしっかり理解しておくと、声のトレーニングはとてもクリエイティブなものになります。

音程が著しく取れない原因が輪状甲状筋(CT)の筋力不足によるものであれば、甲状披裂筋(TA)との連動を考える事なく、ひたすら裏声を出させるエクササイズは場合によっては効果的にもなります。

地声が全然出ない原因が甲状披裂筋(TA)の筋力不足、もしくは使えていないものであれば、限界に近いくらい低い音域を徹底的に歌わせる事によって解決出来るケースもありそうですね。

この辺りの具体的な声の直し方は追々お話していく事としましょう。

次回は「このパワーバランスを上手にコントロール出来ないパターン」を解説していきましょう!

桜田ヒロキのレッスンについてはこちらをご覧下さい

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解説しているインストラクター

桜田ヒロキ
桜田ヒロキ
セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター

アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。

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